● 狂った「早期幕引き」シナリオ 招待者選定で「関与」認めた首相

 「私自身も意見を言うことがあった」と、招待者選定での関与を参院本会議の答弁で認めた11月20日は、
首相にとっては通算の首相在職日数が計2887日になり、憲政史上最長となった「記念の日」だった。

 だが、長期政権の弊害を象徴する事態への関与を認めざるを得なくなり、夜に記者団のぶら下がり会見に
応じた表情は暗かった。

 桜を見る会の問題が「税金の無駄遣い」と、国会などで追及され始めた当初、政府は各界で功労、功績の
あった人を招いての長年の慣行とし、首相も11月8日の国会答弁では「招待者のとりまとめなどには関与
していない」としていた。

 だが安倍事務所が事務局となる形で、後援会関係者ら、招待される地元有権者を対象に、桜を見る会に
合わせ前日の夕食会を盛り込んだツアーを行っていたことなどが明らかになると、13日、政府は急きょ
桜を見る会の来年の中止を発表。
 
 首相自身も、官邸でのぶら下がり会見に立て続けに応じ、早期の幕引きを図ろうとした。

 国会の予算委員会などで追及されるのを避け、「説明責任」を果たした形を作ろうとしたようだが、
首相の説明でむしろ、ほころびが広がりシナリオは大きく狂うことになった。