マクロン氏がEU首脳の感情を刺激か−ギリシャさえ長期延期を支持
Viktoria Dendrinou、Milda Seputyte、Helene Fouquet、Ian Wishart
2019年4月11日 15:17 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-11/PPS6TV6JIJUP01
「英EU離脱の終わりの始まりにすらなり得る」とチプラス氏
EU首脳は英離脱期限を10月31日まで再延期する妥協案で合意

一方、今回の首脳会議では、フランスのマクロン大統領が孤立状態に置かれた。メイ首相にEUと
の離脱合意案への支持獲得の道を探る時間を与えるため、最長1年の離脱延期に大部分の首
脳が同意していたが、EUを危険にさらすことになりかねないとマクロン氏は訴えた。

当局者の1人が語ったところでは、マクロン大統領は英国に認める離脱延期の長さについて、「6月
30日より後では全てがEUを脆弱(ぜいじゃく)にする」と主張。マクロン氏が意見を表明するまで、
議論がどう行き着くか議場の誰もあまり確信を持てなかったが、フランスが「合意なき離脱」の危険を
冒しても決定を迫るつもりではないかと首脳の間で懸念が広がったという。

  伝統的にフランスの盟友であり、主要な決定でほぼ必ず同国に味方してきたギリシャのチプラス
首相が今回はいつもと異なるアプローチを取った。外交当局者が共有するチプラス氏の発言記録
によれば、「これは英国の離脱推進派にとって最大の敗北となり、英EU離脱の終わりの始まりに
すらなり得る」と指摘。来月の欧州議会選挙への参加を英国に強いることで、EU離脱の機運に
風穴を開ける可能性があると持論を展開した。