●ポツダム宣言がある限り戦前には戻れない

片山:五箇条の御誓文でシビルライツを与えるような形を取りながら、実際には維新から20年以上、憲法すら立てなかったのが明治時代です。やっと作られた大日本帝国憲法にしても、西洋近代立憲型と、前近代的ないし
超近代的な天皇の神性を併存させようとしたので、解釈次第で天皇機関説も天皇主権説も成立してしまうものになった。シビルライツも半面でしか機能しない。シビルライツの国なら「一億玉砕」はスローガンにはならない
でしょう。その反省に立ったのが、日本国憲法です。その前提としてあるのは、日本のポツダム宣言の受諾です。民主主義に基づいて基本的人権が保障される国に生まれ変わらない限り、日本の主権は回復できなかった。
誰が憲法を作ったかよりも、憲法がポツダム宣言の趣旨に沿っているかが重要だったのです。ポツダム宣言の趣旨が憲法に盛り込まれているのだから、改Kをして戦前に戻ろうと思っても、それはできないことは覚えて
おくべきでしょう。