[ワシントン 5日 ロイター] - 米上院の民主・共和両党の議員は、トランプ大統領が国家安全保障を理由とする輸入関税の適用を決める際に議会の承認を義務付ける法案の提出を計画している。5日か6日に提出されるという。
上院外交委員会の委員長を務める共和党のボブ・コーカー議員が5日、記者団に明らかにした。
提出する法案は、米通商拡大法232条をもとに安全保障を理由とする輸入制限を発動できる大統領権限の縮小を図るもの。
トランプ政権は先月、乗用車やトラックなどの車両や関連部品の輸入が国内の自動車産業を侵害し、安全保障を脅かしたかどうか通商拡大法232条に基づき調査を開始すると発表。
調査の結果次第で関税が最大25%に引き上げられる可能性があることから、共和党内や国内の業界団体から批判の声が上がっていた。
大統領は3月に鉄鋼・アルミニウム製品に対し追加関税を課す輸入制限を発動した際も、同様に「国家の安全保障」を根拠としていた。
コーカー議員は、法案に賛同する上院議員が何人いるかは明言しなかったが、民主・共和両党の議員の「多数」が賛同していると語った。
また、法案は毎年度の国防予算の大枠を定める国防権限法(NDAA)の修正条項として提出する可能性があると説明。上院はNDAAを早ければ今週中に審議する予定だ。
輸入制限の適用に議会承認を義務付ける法案にはトランプ大統領の反発が予想されることから、単独での法案成立は目指さず、毎年可決されるNDAAに組み込むことで法制化される可能性は高まる。
民主党のシューマー上院院内総務は、コーカー議員が説明した法案は民主党からも一定の支持を得る可能性があると語った。