岡山市における梅毒の発生状況(2010〜2017年)および、医師への聞き取り調査で得られた梅毒患者の状況
https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/743-disease-based/ha/syphilis/idsc/iasr-news/8018-459p01.html

岡山市における梅毒の発生状況(2010〜2017年)および、医師への聞き取り調査で得られた梅毒患者の状況

梅毒の届出数は近年大きく増加しており1)、岡山県の発生状況(人口100万人当たりの報告数)は2017年第3四半期において全国第2位となっており、
岡山県内で増加が進んでいる2) 。

岡山市保健所では、以前から梅毒届出受理時には、感染症担当保健師が届出医師から電話による聞き取りによって疫学調査をしていた。さらに、
2017年4月に調査票を作成し、届出票で得られる内容に加え、職業、感染経路、パートナーの有無などの疫学情報を集積してきている。

岡山市における梅毒届出数は、2010〜2013年は年間報告数が男性2〜4例、女性0〜1例と少ない報告数が続いていた。しかし、2014年男性10例
女性1例、2015年男性11例女性3例、2016年男性16例女性9例と、男性は2014年から、女性は2016年から届出数が増加し始めていた。四半期ごと
にみると、2017年第2四半期以降、届出数が急増し、男性は第3四半期、女性は第4四半期の届出数が最も多かった。

2017年に岡山市に届出のあった梅毒の患者は108例(男性78例、女性30例)で、2016年と比較して男性は約4.9倍、女性も約3.3倍と大幅に増加していた。

届出患者の年齢は、男性はこれまで20〜30代が5割程度を占めていたが、2017年第2四半期に40代が増加し、第4四半期に50代が増加した。
2017年は20〜40代で83.3%を占めていた。女性は2017年第2四半期の20代の増加が特に顕著であるが、第3四半期以降10代〜40代と幅広い年代層の報告がある

感染経路をみると、2015年以降、男性患者は異性間接触が同性間接触を上回っていた。2017年の男性患者の届出78例のうち59例(75.6%)が異性間接触によるものであった。
女性患者の届出30例は、すべて異性間接触による感染であった。男性患者で異性間接触で感染したもののうち、過去数か月以内に風俗店の利用のあったものは、図2に
示すように2016年以降は、届出数、割合ともに増加が続いており、2017年で71.2%(42例/59例)であった。2017年4月以降の医師等への聞き取り調査(男性71例、女性27例)
では、風俗店を利用していた男性患者は岡山市内、岡山市以外の岡山県内、隣接県内、関東、国外での風俗店を利用していた、との回答を得られた。本人の職業については
女性の25.9%がCSW(コマーシャルセックスワーカー)であった。また、特定のパートナーがいる割合は男性32.4%、女性63.0%であった。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)