原田日銀委員:物価上昇の勢い「十分に大きければ」緩和を縮小
日高正裕2017年11月30日 12:16 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-30/P07LSB6TTDS001
物価が上がらないのは「人手不足が不十分だから」
景気改善して人手不足さらに進み、賃金と物価ともに上昇する局面に

日本銀行の原田泰審議委員は、賃金と物価の上昇の勢いが「十分に大きければ」、日銀は金融緩和の
程度を縮小することになるとの見方を示した。30日、福島市内で講演した。
  原田委員は、物価が上がらないのは「人手不足が不十分だから」であり、現行の金融政策を続ければ、
「景気が改善して人手不足がさらに進み、賃金と物価がともに上昇する局面が表れてくる」と語った。
  一方で、米欧の中央銀行と歩調を合わせて日本も出口に向かうべきだという主張に対し、日本の物価
上昇率が低いことなどから、その時期が遅くなることに「不思議はない」と言明。物価2%目標を達成する
「めどが得られた時には金融緩和の程度を縮小する、または引き締めるということだ」と述べた。
  黒田東彦総裁は13日にチューリヒで行った講演で、金利を下げ過ぎると金融仲介機能を阻害し、かえ
って金融緩和効果をそぐ可能性がある「リバーサル・レート」に言及。「こうしたリスクにも注意していきたい」と
述べたことで、長期金利目標の引き上げに向けた布石ではないかとの見方が市場の一部に浮上していた。