1999.10.29 FRI 02:00
磁気テープ付き紙幣でタンス預金にも税金?
https://wired.jp/1999/10/29/%E7%A3%81%E6%B0%97%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%E4%BB%98%E3%81%8D%E7%B4%99%E5%B9%A3%E3%81%A7%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%E9%A0%90%E9%87%91%E3%81%AB%E3%82%82%E7%A8%8E%E9%87%91%EF%BC%9F/
マットレスの下に隠しておいた札束をちゃんと銀行に預けなければならない時が来たのだろうか。米連邦準備銀行の
幹部が、紙幣に追跡装置を埋め込み、お金を手元に長く持っているほど高い税金がかかるようにして、通貨の流
通を促すことを提案している。

Declan McCullagh 1999年10月29日
ワシントン発――個人が貯め込んでいるドル札に税金をかけられるようにするため、米政府は紙幣に磁気を使った追
跡装置をつけるべきだ――米連邦準備銀行のある幹部がこんなことを考え出した。

米連邦準備銀行リッチモンド店の上級副頭取マービン・グッドフレンド氏の提案は、お金を銀行に預けず手元に長く
持っているほど、その価値が下がっていくようにしようというもの。
つまり、紙幣に自動的に使用期限がつくというわけだ。

グッドフレンド氏は、先頃バーモント州ウッドストックで行なわれた連邦準備制度の会議に提出した報告書類の中で、「磁
気テープの記録で、その紙幣が最後に銀行から引き出されたのがいつかが一目でわかるようになる。それぞれの紙幣がどの
くらいの期間市場を流通していたかによって、その紙幣が預金された時点でキャリー・タックスが差し引かれる」と書いた。

34ページにわたるこの報告書には、キャリー・タックスを設けることで通貨の「退蔵」が減り、闇市場や犯罪行為の防止に
つながるうえ、金利がゼロに近いデフレ期経済に安定をもたらすと書かれている。

さらにグッドフレンド氏は、新技術の開発によりこのような計画もついに実現可能になったと書いている。「システムは各銀
行が実施拠点となり、自動現金預け払い機(ATM)を使って紙幣を読みり、税金を査定し、それぞれの紙幣に『流通』
の印を付ける」ことを報告書は提案している。

グッドフレンド氏はインタビューの中で、各銀行はそこから市場に流れていく紙幣1枚1枚に「発行日」を明確に示す一種
のスタンプを押すことになるだろうと語った。「実際には、紙幣がATMから引き出された日付がそこに記録されるのだ」

このような動きに対して、議会関係者は反対の意向を表明している。