ドラギECB総裁:インフレ回復に自信が持てれば賃金も上昇へ
Carolynn Look、Piotr Skolimowski
2017年11月17日 19:21 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-17/OZK2YK6KLVRJ01
賃金形成への過去の低インフレの影響は長続きしないはずだ
ユーロ圏の労働市場は「大成功」−忍耐強さ、なお必要

ドラギ総裁は、ユーロ圏で賃金が上昇し、景気が金融政策の支援から脱却することに楽観的な見方を示した。
  ドラギ総裁は、物価上昇を抑えている「最大の問題」は賃金が上がらないことだとあらためて指摘。しかし、
金融緩和によって失業率が下がり消費も上向いたことで、変化が起ころうとしているとの期待も示した。
  「インフレ期待が十分に安定すれば、賃金形成への過去の低インフレの影響は長続きしないはずだ。労働
市場が引き締まり不透明感が後退すれば、経済のたるみの大きさと賃金の伸びの関係が再び顕在化し始める
だろう。われわれは忍耐強くある必要がある」と語った。「失業率がこれほど低下し労働参加率が上がっているこ
とは大成功だ」と自賛した。
  インフレ回復の定義としての「持続的な調整とは、総合インフレ率がECBの目標に向かう動きが一時的な
現象でなく継続的で、金融政策の支援がなくとも自律的に続くことを意味する。現在はインフレ率が近年の
低水準から一貫して離れつつあるが、進展は不十分で部分的だ」とも述べた。
  量的緩和(QE)の月額を減らし延長する決定については、金利が現行水準に長くとどまるという期待を
補強したと主張した。原題:Draghi Says Confidence on Inflation Will Help Drive Wage Gains(抜粋)