デイリー新潮2023年04月29日
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/04291103/
深夜というのに食欲をそそられる“夜食テロ”あるいは“飯テロ”と呼ばれるドラマが今期も盛りだくさんだ。一体、なぜこんなに増えたのか。
“飯テロ”ドラマといえば、「孤独のグルメ」や「きのう何食べた?」などで知られるテレビ東京が有名だ。同局の公式ホームページには、ドラマのジャンル検索に《料理・グルメ》の項目があるほどだ。
今期、4月7日にスタートしたのが「ゲキカラドウ2」(木曜深夜24:30~25:00)だ。飲料メーカーの営業室で働く桐山照史(ジャニーズWEST)は、激辛料理好きの社員たちと出会ったことで、ゲキカラドウ(激辛道)を突き進む。激辛料理で気合いを入れ直し、困難な仕事を乗り越えていく成長物語の第2弾だ。
そして10日には前田敦子が主演の「かしましめし」(月曜23:06~23:55)がスタート。おかざき真里の同名コミックが原作で、同級生の死をきっかけにアラサーの男女3人が再会。それぞれが悩みを抱えながらも“おうちごはん”を囲むことで元気になっていく《テレ東の「孤独じゃない」グルメドラマ》だ。共演は成海璃子、塩野瑛久など。
さらに13日からは倉科カナが主演の「隣の男はよく食べる」(水曜深夜24:30~25:00)もスタート。美波はるこの同名コミックが原作で、《料理上手な独身オトナ女子の前に突然現れた、いっぱい食べる肉食年下男子》のラブストーリー。相手役は菊池風磨(Sexy Zone)だ。
それらを追うように、22日からテレビ朝日の「月読くんの禁断お夜食」(土曜23:30~24:00)もスタートした。アサダニッキの同名コミックが原作で、食に興味を失ったストイック女子(トリンドル玲奈)が料理上手な年下男子(萩原利久)の夜食に癒されていくラブストーリーだ。
地上波で4本もの“飯テロ”ドラマが並んでいる。民放プロデューサーは言う。
■バラエティ番組もグルメが人気
「正直言って、どれもストーリーより料理を美味しく見せたいドラマですね。イケメンや美女たちが料理上手や食いっぷりの良さを見せつけています。深夜にこんなドラマばかり見せられては、“1億総メタボ”になるのではないかと心配になるほどです」
わざわざこんな遅い時間に放送しなくてもよさそうだが。
「視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)はいずれも2%程度ですが、最近のドラマはTVerなどの配信で見てくれればいいという考えで制作されています。“飯テロ”の元祖と言われる『孤独のグルメ』も3月26日からオリジナル作品の第2弾『孤独のグルメ配信オリジナル2 五郎、芸人まみれ』がParaviとLeminoで配信されています」
なぜこんなに増えたのだろう。
「やはり『孤独のグルメ』が大成功したことがきっかけでしょう。ドラマのみならずバラエティ番組でもグルメは高視聴率の鉄板でハズレがないと言われています。『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日テレ/中京テレビ制作)もヒットしていますし、4月23日放送の『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS)は2時間スペシャルで、NHK大河や『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ)、『ポツンと1軒家』(テレ朝)と放送が重なりましたが、『イッテQ』の10・1%を凌駕する10・3%を記録しました」
バラエティ班のグルメ担当も大忙しだが、ドラマ班には敵わないと羨ましがることもあるという。
■機材が違う、予算が違う
「まず機材です。人気者が街ブラするバラエティの場合、嵐のように来て、嵐のように去って行きます。カメラも肩に担いで使うビデオカメラで、短時間で簡便に撮れるのがウリ。一方のドラマ班は、一眼レフカメラのような被写界深度が深い高級レンズで撮影します。カメラ本体も高画質の4Kやハイスピード撮影にも対応できる。料理の撮影はライティングが命と言われますが、ドラマ班は照明部も連れてくるので最高のライティングで撮影でき、遠近や陰影も深く、美味しく見えるのは当たり前。さらにVE(ビデオエンジニア)もベタ付きですから高画質が保証され、バラエティ班の映像とは月とスッポンの差が生まれます」
さらに……。
「制作費も潤沢で、店一軒を借り切るのは常道。スタッフがベタ付きなのはもちろんですが、キャストは役者ですからスケジュールはベタ押さえで、途中で別の仕事に行くなんてこともない。バラエティの人気者は1日に3番組をハシゴして、飛び入り飛び出しが当たり前ですからね。そんな心配がないのが羨ましくてしょうがないそうです」
かくして“飯テロ”ドラマが増殖中というわけだが、深夜に限った話ではなくなりつつあるという。
※以下リンク先で
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/04291103/
深夜というのに食欲をそそられる“夜食テロ”あるいは“飯テロ”と呼ばれるドラマが今期も盛りだくさんだ。一体、なぜこんなに増えたのか。
“飯テロ”ドラマといえば、「孤独のグルメ」や「きのう何食べた?」などで知られるテレビ東京が有名だ。同局の公式ホームページには、ドラマのジャンル検索に《料理・グルメ》の項目があるほどだ。
今期、4月7日にスタートしたのが「ゲキカラドウ2」(木曜深夜24:30~25:00)だ。飲料メーカーの営業室で働く桐山照史(ジャニーズWEST)は、激辛料理好きの社員たちと出会ったことで、ゲキカラドウ(激辛道)を突き進む。激辛料理で気合いを入れ直し、困難な仕事を乗り越えていく成長物語の第2弾だ。
そして10日には前田敦子が主演の「かしましめし」(月曜23:06~23:55)がスタート。おかざき真里の同名コミックが原作で、同級生の死をきっかけにアラサーの男女3人が再会。それぞれが悩みを抱えながらも“おうちごはん”を囲むことで元気になっていく《テレ東の「孤独じゃない」グルメドラマ》だ。共演は成海璃子、塩野瑛久など。
さらに13日からは倉科カナが主演の「隣の男はよく食べる」(水曜深夜24:30~25:00)もスタート。美波はるこの同名コミックが原作で、《料理上手な独身オトナ女子の前に突然現れた、いっぱい食べる肉食年下男子》のラブストーリー。相手役は菊池風磨(Sexy Zone)だ。
それらを追うように、22日からテレビ朝日の「月読くんの禁断お夜食」(土曜23:30~24:00)もスタートした。アサダニッキの同名コミックが原作で、食に興味を失ったストイック女子(トリンドル玲奈)が料理上手な年下男子(萩原利久)の夜食に癒されていくラブストーリーだ。
地上波で4本もの“飯テロ”ドラマが並んでいる。民放プロデューサーは言う。
■バラエティ番組もグルメが人気
「正直言って、どれもストーリーより料理を美味しく見せたいドラマですね。イケメンや美女たちが料理上手や食いっぷりの良さを見せつけています。深夜にこんなドラマばかり見せられては、“1億総メタボ”になるのではないかと心配になるほどです」
わざわざこんな遅い時間に放送しなくてもよさそうだが。
「視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)はいずれも2%程度ですが、最近のドラマはTVerなどの配信で見てくれればいいという考えで制作されています。“飯テロ”の元祖と言われる『孤独のグルメ』も3月26日からオリジナル作品の第2弾『孤独のグルメ配信オリジナル2 五郎、芸人まみれ』がParaviとLeminoで配信されています」
なぜこんなに増えたのだろう。
「やはり『孤独のグルメ』が大成功したことがきっかけでしょう。ドラマのみならずバラエティ番組でもグルメは高視聴率の鉄板でハズレがないと言われています。『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日テレ/中京テレビ制作)もヒットしていますし、4月23日放送の『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS)は2時間スペシャルで、NHK大河や『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ)、『ポツンと1軒家』(テレ朝)と放送が重なりましたが、『イッテQ』の10・1%を凌駕する10・3%を記録しました」
バラエティ班のグルメ担当も大忙しだが、ドラマ班には敵わないと羨ましがることもあるという。
■機材が違う、予算が違う
「まず機材です。人気者が街ブラするバラエティの場合、嵐のように来て、嵐のように去って行きます。カメラも肩に担いで使うビデオカメラで、短時間で簡便に撮れるのがウリ。一方のドラマ班は、一眼レフカメラのような被写界深度が深い高級レンズで撮影します。カメラ本体も高画質の4Kやハイスピード撮影にも対応できる。料理の撮影はライティングが命と言われますが、ドラマ班は照明部も連れてくるので最高のライティングで撮影でき、遠近や陰影も深く、美味しく見えるのは当たり前。さらにVE(ビデオエンジニア)もベタ付きですから高画質が保証され、バラエティ班の映像とは月とスッポンの差が生まれます」
さらに……。
「制作費も潤沢で、店一軒を借り切るのは常道。スタッフがベタ付きなのはもちろんですが、キャストは役者ですからスケジュールはベタ押さえで、途中で別の仕事に行くなんてこともない。バラエティの人気者は1日に3番組をハシゴして、飛び入り飛び出しが当たり前ですからね。そんな心配がないのが羨ましくてしょうがないそうです」
かくして“飯テロ”ドラマが増殖中というわけだが、深夜に限った話ではなくなりつつあるという。
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