“ダマスカス鋼”は別名“ウーツ鋼”ともいい、もともと古代インドで作られたものだった。しかし初めて作られたのがいつ頃なのか、はっきりしていない。
 インドの“デリーの柱”と呼ばれる巨大な鉄柱はダマスカス鋼で出来ているといわれている。それがつくられたのは紀元3〜4世紀頃といわれているが、ダマスカス鋼そのものはもっと古くから作られていた筈である。
  このダマスカス鋼は、その表面に浮かぶ独特の模様と、錆びないということで有名だった。
 これはデリーの柱の科学的調査で明らかになったことなのだが、驚くべきことにそれは“鍛鉄”で出来ていたのであった(合金鋼ではない)!
 鉄でありながら錆びることがない・・・古代インドには“神秘の鋼”が存在したのだった。